ナラ 

よく使う材料について語ると言うほどでもないですが、ここで1度言及してみたいと思いつきまして。   ナラ(楢・Oak)。うちで使うのは今のところ主に北海道産ミズナラ(水楢)。同じく流通の多いものでホワイトオーク(北米産)とは基本的には分けていますが、材料を支給してもらい使う場合は混ざっていることもあります。他にもヨーロピアンオークとかレッドオーク等というものもあります。製品化されたものを見て、ナラかホワイトオークかを見極めるのは少々難しいです。ウイスキー樽にはホワイトオークがよく使われるそうです。ちなみに突板(つきいた)になるとほぼすべてホワイトオークになります。突板に関してはまた次の機会に。   ナラは重くて堅いです(ホワイトオークはさらに重くさらに堅いです)。比較的高級な部類の材料でさらにここ数年は値段も上がる一方です。加工はややし難く、鉋がけをしようと思うと大変です。   加工に関してはネガティブな要素の方が強いですが、製品化した後は良いです。やや動き(伸縮や反り)はあります(無垢材の家具にはどれでも大なり小なり発生します)が通常無垢材で家具を作る場合はそれも見据えて作るので、その点は他の材と比べても特別な留意点はありません。僕が好んで使う理由は木目の柄・色や質感に加えて、飽きが来ないということが大きな理由の一つです。これに関しては個人で感じ方が大きく異なることもあるとは思います。僕はブラックウォールナットやチェリーの家具とも一緒に生活をしていますが、ある時ふと飽きが来ることがあります。見慣れすぎてしまうというか。これに対してナラの家具にはそれを感じることがないです。同化してしまう訳でもなく、凜として存在感を発揮しつつ佇んでいます。ということを思っているので自分ではよく使いますし、オーダーを受ける際もお客さんの指定がなければまずはナラを薦めています。使い方次第で、無骨で力強いデザインにも向きますし、繊細でしなやかな意匠もこなしてしまうことも魅力の一つです。   よりこの素晴らしい木材を活かせるよう日々考え、試行錯誤しています。そしてまた、ウォールナットやチェリーなど他の材料とも上手に付き合っていきたいです。樹種やデザイン、インテリアとの親和性も考慮した様々なオーダーに応えていきたいと思っています。オーダーお待ちしています。